こんにちは。
今回『この漫画を読んでほしい!』で紹介するのはジャンプ+で2018年8月から休載を経て2021年6月まで連載された森屋シロ先生による【檻の中のソリスト】です。
作者:森屋シロ先生の体調不良のため、およそ2年間におよぶ休載がありましたが、その間、読者の間でも復帰・連載再会を望む声が続出し、2021年4月に待望の連載再会となりました。
ジャンプ+側も森屋先生の復帰を焦らず、じっくり待ったのは【檻の中のソリスト】の残りのストーリーと今後の森屋先生の活躍に対する期待の表れだったのでしょう。
この記事では【檻の中のソリスト】のおすすめポイントや今後の活躍にも注目が集まる森屋シロ先生について紹介していきます。
目次
【檻の中のソリスト】の概要
ジャンプルーキー時代から高い評価を受けていた作者:森屋シロ先生
ジャンプ+作品の中でもとりわけ評価の高い【檻の中のソリスト】ですが、実は森屋先生は連載前から注目を集めていました。
森屋先生はジャンプルーキー出身の作家です。ジャンプルーキーとはプロアマ問わずオリジナル漫画を投稿することができ、読者の支持を集めランキングされ、編集部の目に留まればジャンプ関連作品でのデビューも可能というコンテンツです。
「想造」という作品(当時はkemoriという名前で投稿)でブロンズルーキー賞を受賞した後、ジャンプ+に読み切り作品「空飛ぶモグラ」を掲載しました。
この「空飛ぶモグラ」もー新人読み切りフェアの中で1人だけ次元が違うー、-ホントに新人なの?ーという絶賛の声が相次ぎました。これらの作品はジャンプルーキー、ジャンプ+のアプリやWebページで読むことができるので是非チェックしてみてください。
初連載となった【檻の中のソリスト】も高評価を得た森屋シロ先生の今後にも注目したいですね。
【檻の中のソリスト】の読みどころ・おすすめポイント
映画のような設定とストーリー展開
この作品は監獄街を行きぬく子どもたちにスポットライトが当たっており、全3巻にまとまっていることもあって起承転結がハッキリとしています。
そのため読み終わった後、一本の良質な映画を見終わったような感覚に陥ります。
個人的にアニメにしろ、実写にしろ映画化してほしい作品の1つです。
ただ、漫画としてはもっと長くあの世界感を味わいたかったというのが本音です。
良くも悪くも一気読みに適した作品です。
また、起承転結がハッキリしているストーリー展開、全3巻というコンパクトな巻数、ぐっと入り込める世界観、などの理由からお気に入り映画のように何度も読み返したくなる作品としてもオススメです。
事実、私はすでに3周しました。
新しい時代のジャンプ作品を感じさせる作品
私は【檻の中のソリスト】を読んでまさに、“新しい時代のジャンプ作品”という印象を持ちました。
ジャンプのテーマといえば、『友情・努力・勝利』という言葉が浮かびますよね。このテーマはジャンプ側が打ち立てた訳ではなく読者アンケートから生まれたようなのですが、広くジャンプのテーマとして知られています。
作品によっては「友情」は「絆」と置き換えられるものもあります。【檻の中のソリスト】では姉弟の絆・子どもたちの友情(絆)・敵側の友情(絆)などが描かれています。
個人的には敵側の友情がなかなか粋で作品に良いアクセントを加えていると感じました。
また、クロエ・ロック姉弟と仲間たちは自由を求め、懸命に「努力」し闘います。単純に「勝利」を目指して身体や技を鍛えるという「努力」ではなく、自由(勝利)を目指し考えたり、耐え忍んだり自己犠牲をして「努力」をします。
そして自由を掴むという「勝利」を手に入れられのか…とストーリーは展開していくのです。
ゴリゴリに「友情・努力・勝利」をテーマとしたーまさにジャンプ作品!ーという印象ではなく、監獄街というダークな舞台でこれまでとは形の違う「友情・努力・勝利」というテーマの入った、新しい時代のジャンプ作品という印象を強く受けました。
最近ではジャンプ自体、ジャンプ+やジャンプルーキーなどのコンテンツを充実させ、新しい作風の作品をどんどん扱っている印象があります。
個人的にはその中でも良い意味での“ジャンプらしさ”のある作品には強く惹かれます。そんな新しい“ジャンプらしさ”を魅せてくれた森屋先生の今後の作品にも要注目です。
『この漫画を読んでほしい!』シリーズ作品紹介
年間1,000冊以上の漫画を読み、大の漫画好きを自負する私が、しっかりと自分で作品を読んで紹介している『この漫画を読んでほしい!』シリーズ。
他の作品もあわせてチェックしていただけたら嬉しいです。
\信頼していた教師と身体が入れ替わったいじめられっ子。教師の身体と立場を利用して凄惨な復讐を果たしていくが、途中から話は思ってもいなかった展開に…/
\御手洗家は火事になり、火事を起こしたとされた妻とその娘二人は家を出ていく。時は経ち、火事への疑問が拭えなかった娘が身分を偽り、家政婦として御手洗家に…圧巻のリベンジミステリーです/
\娘を半グレ集団から守るため、父親は1人の男を殺害してしまう。そこからこの家族3人の長い長い闘いが始まる…次の展開から目が離せなくなりどんどん読み進めてしまう作品です/
\死の直前、鬼と取引することで、蘇り超人的な力を手に入れた“鬼憑き”。母親を殺された鬼憑きの男子高生が犯人を追いつつ、鬼の能力を悪用する鬼憑きを裁いていく/
\ゲーマーが実際の戦争で指揮を執ることに。ゲームで鍛えた腕は実際の現場でも存分に通用した。その男はある戦争で子どもたちと出会い、ともに生きていくこととなるが…/
最後に
以上、『この漫画を読んでほしい!【檻の中のソリスト】ジャンプルーキー出身作家による監獄脱出アクション/映画のような作品』について紹介いたしました。
ジャンプルーキー出身者である森屋シロ先生の初連載作品。とても惹きつけられる世界観で、全3巻という巻数が“もっと長くこの世界観を味わいたかった!”と残念に思える作品です。
今後、ジャンプ本誌などでの連載、長編の連載、新たな世界観の作品と期待がたくさん持てる先生ですね。
最後まで読んで頂きありがとうございます。