学校もほとんどの地域で再開され、ようやく授業も進み出しました。
新中学生のお子様も新生活のスタートを切ったかと思います。
新中学生にとって学習面で大きく変化するのは算数→数学の変化と英語の本格授業スタートの2点ではないでしょうか。
この記事では学習塾を営んでいた経験のある私が感じた、新中学生がまずぶつかる壁【数学編】を紹介・解説していきます。
今回紹介するのは…
- 正負の足し算・引き算
新中学生で現在、この計算問題に悩まされている生徒さんはもちろん、お子さまに質問されて説明できない、大きな声では言えないけれど実は自分も理解していないというお父さん・お母さんにぜひ読んで頂きたいです。
実は子どもに質問された際に、それに答えるというのは家庭学習においてとても大切なんです。
子どもが質問する時は、理解したいという意欲が強いタイミングです。
私は、子どもが知識を吸収するうえで最も重要なものはこの理解したいという意欲だと考えています。
子どもが質問してきた時に説明できるように是非目を通してみてください。
この記事を読むと…
- 正負の足し算・引き算の計算問題が解けるようになる
- 正負の足し算・引き算を説明ができるようになる
数直線での説明は実践には非効率
基本的には学校で正負の足し算・引き算を習う時に用いられるのは数直線での説明です。
確かに数直線での説明はわかりやすいかもしれません。
しかし、実際に問題を解く時に数直線を書いていては時間的に非効率ですし、面倒くさいですよね。
塾で生徒たちが計算問題を解く時にも数直線を書いている生徒を見たことはありません。
また、$5-8$のような2つの項の式であれば数直線は使い勝手が良いですが、$5-8+7-3$のような3つ以上の項の式には数直線上を行ったり来たりすることとなり複雑ですし、ミスも多くなります。
かといって暗算での計算をマイナスという概念を学んだばかりの生徒に身に付けてもらうのは少々難易度が高いです。
- $5-9=4$
- $-8-5=-3$
- $-5+5=10$
↑これは実際に塾での指導中よくみた誤答のパターンです。
大人であれば簡単な計算問題かもしれませんが、本当にこのパターンのミスはよく目にします。
これらのことから、簡単で面倒くさくなく、ミスの少ない計算方法が要求されます。
プラス軍vsマイナス軍の人数対決
そこで、私はこの考え方で生徒たちに説明していました。
“プラス軍vsマイナス軍の人数対決”-勝手にネーミングしました。
子どもっぽいネーミングだと言われるかもしれませんが、事実、私の塾内の生徒の正負の足し算・引き算に対する理解力は数段上がったと実感しています。
では説明していきます。
まず、この考え方は足し算・引き算をプラス軍とマイナス軍の人数で勝ち負けの決まる戦争と捉えます。
単純に人数の多い方が勝ちです。
実際に$5-8$という計算でみていきましょう。
まず、先頭の5にはマイナスの符号がついていないので+5ですね。
$+5-8$
この式ではプラス軍は5人いるということになります。
マイナス軍は8人。
では勝つのはどっち?マイナス軍ですね。ですから答えにまずマイナスを書き入れましょう。(プラス軍勝利の場合、必要な時以外+はいらない)
そしてマイナス軍がプラス軍より何人多いかを考えます。3人ですね。
マイナスの横に3と書き入れましょう。
以上です。もう一度流れで見ていきましょう。
$5-8=$
(プラス軍は5人、マイナス軍は8人、マイナス軍の勝ちだ)
$5-8=-$
(マイナス軍の方が3人多いな)
$5-8=-3$
少し長い式で試してみましょう。
$5-8+7-3$
(プラス軍は5と+7だから12人、マイナス軍は-8と-3で11人、プラス軍の勝ち)
$5-8+7-3=+$
(プラス軍の方が1人多い,頭の+はいらないな)
$5-8+7-3=1$
終わりです。
これだけのこと?と思われるかもしれません。
大人なら当たり前のことを言っているだけと思うかもしれません。
しかし実際に、私の塾ではこの教え方で生徒の計算力が上がったという実績があります。
もし、正負の足し算・引き算ができなくて悩んでるお子さんがいらっしゃれば、ぜひ1度試してもらいたいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。