今回”この漫画を読んでほしい!”で紹介するのはライトノベルが原作である【鬼人幻燈抄】。
本作は小説投稿サイト「小説家になろう」にて連載された中西モトオ先生による同名小説のコミカライズ作品です。
漫画担当は「血海のノア」を描かれた里見有先生。
中西先生の”長きに渡る人と鬼との壮大な物語”と里見先生の「優しさ・強さ・絶望のギャップある描写」が融合した読み応えのある作品です。
この記事では【鬼人幻燈抄】の基本情報・あらすじ・おすすめポイントなどを紹介していきます。
目次
【鬼人幻燈抄】基本情報
【鬼人幻燈抄】おすすめポイント①ストーリー展開がとにかく魅力的
第一にこの作品の魅力はどこかと言えば、ずばり”初期設定・ストーリー展開”にあります。
もっと細かく言わせていただくと、【鬼人幻燈抄】は「鬼と人との闘い」を描く大枠の中に、決着までの甚夜の旅先での出来事がオムニバス形式で描かれています。
(黒ずくめの組織との闘いと、その間に起きる個々の事件を描いている”コナン方式”に近いでしょうか)
大枠の「鬼と人との闘い」は初期段階で導入部分が大きく描かれていますが、愛しさ・切なさ・憎しみが入り混じった衝撃の内容となっています。
ーもしも愛を注いできた者、愛されていると感じていた相手がこの世で最も憎むべき相手になったら?ーといろいろな感情が渦巻き考えさせられるテーマになっています。
大枠の導入部分が一段落すると、物語は甚夜の旅先での出来事が描かれていきます。
これらの物語も、温かさや悲しみ、切なさ、優しさなどが丁寧に描かれ、さらに大枠のストーリーのヒントになるような内容が含まれていたりと毎話目が離せません。
ちょっと一言
正直私は「なろう系」と呼ばれる作品を自然と避けているきらいがあります。
この作品は表紙に興味を持ちあらすじを読んだ段階で、いわゆる「なろう系」とは違う作品であることがわかりました。
(「なろう系」とはいろいろな定義があるようですが個人的には”異世界””チート”といったキーワードを含む作品です)
もし、私と同じような理由で【鬼人幻燈抄】にまだ手を出せていないという方はぜひこの記事を参考にしてみてください。
【鬼人幻燈抄】おすすめポイント②表情の描き方、背景・明暗の使い訳が抜群の作画
先ほども少し述べましたが私が【鬼人幻燈抄】に興味を持った最初のいきっかけは表紙です。
巨編和風ファンタジーと謳う作品にマッチしたタッチ・キャラクターの表情・繊細な色使いが私の興味を一気に惹きつけました。
そして中身…物語初期は、愛情・憎しみ・切なさ・優しさ・決意など様々な感情が入り混じる内容となっているのですが、それぞれの「表情」がリアルに繊細に描かれています。
また、私が最も凄みを感じているのが、「背景の丁寧さ」と「コントラストの使い方」です。
本作品は終始背景も丁寧に描かれており作品としての質の高さが感じられます。
特に、要所要所で1コマのみのページが登場するのですが、その絵の背景の丁寧さとコントラストの巧みさで存在感のある1枚絵になっていて、作品の世界感をどっぷり感じることができます。
中西先生の感情揺さぶるストーリーと里見先生の丁寧で繊細な作画が見事にマッチしたコミカライズ作品となっています。
【鬼人幻燈抄】は『鬼滅の刃』のパクリ?…違います!
ネットやSNS上を調べてみると「鬼人幻燈抄は鬼滅の刃のパクリなの?」といった声が散見されます。
…が、全くパクリとは言えないというのが私の見解です。
まず、「鬼滅の刃」の元となった読み切り作品「過狩り狩り」は2013年に掲載。
【鬼人幻燈抄】が小説家になろうに初執筆されたのが2011年。
時系列がごっちゃになっている方も多いようですが、世に出たのは【鬼人幻燈抄】の方が先なのです。
また、そもそも両作品とも鬼・妹・鬼化・斬るといった共通のキーワードが含まれるので勘違いされがちですが、そのキーワードの組み立ては全く別物だと言えるでしょう。
それだけキーワードが被れんばパクリだろ!という意見も中にはあるようですが、個人的には全く別の作品でどちらも素晴らしい作品という認識です。
私としては『テセウスの船』と『僕だけがいない街』の2作品との関係に近いというイメージですね。
さいごに
以上、『この漫画を読んでほしい!【鬼人幻燈抄】人と鬼の争いをめぐる和風ファンタジー巨編/”考えさせられる”作品の魅力を紹介』について紹介いたしました。
小説のコミカライズ作品はストーリーがしっかり構築されていて、作画もその作品にあった先生が担当され作られているということでとても読み応えのある作品が多い印象です。
特に【鬼人幻燈抄】は感情揺さぶるストーリーと繊細な作画がマッチした完成度の高い作品です。
まだまだストーリーも続いていく様相なので大巨編作品になる予感がします。
今後の甚夜と鬼の戦いから目が離せませんね。
最後まで読んでいただきありがとうございます。