今回は【この漫画を読んでほしい!】は特集記事です。
特集テーマは”実際の事件・出来事・社会問題をモチーフ・モデルにした作品”です。
実際の事件のあらましを忠実に描いたノンフィクション作品から実際の事件をテーマにフィクションが加えられた作品まで様々です。
「現実は小説より奇なり」なんて言葉もありますが、実際に起きた事件には様々な視点からのドラマがあります。
今回の特集作品の中にも
■世間に知られるべき事件の真相
■未解決事件の真相とも思える推理
■知られざる日本や人物の歴史
など読者の興味を引きつける内容の作品が盛りだくさんです。
ぜひ次に読む作品の参考にしてみてください。
目次
【善悪の屑】・【外道の歌】
おすすめポイント
この作品は復讐代行屋のストーリーです。その復讐の対象者が行う悪行は、実際に日本で起きた凶悪事件をモチーフにしているものが多く、読んでいれば”この事件、なんか聞いたことあるな”と感じることが多いでしょう。日本の法律は加害者に甘い・加害者にはもっと厳罰を望む といった声は昔から億あります。日本の法律では復習は認められていませんが、凶悪事件の加害者には同じ目に遭ってほしい・それでも足りないと感じる事件は多くあります。この作品では法を無視し、被害者の無念のみに寄り添った作品となっています。作品の中だけではありますが、自己中で残虐で救いようのない加害者が復讐に遭う様子は少しすっきりした気持ちにもなれるのではないでしょうか。
【でっちあげ】
おすすめポイント
この事件は日本で実際に起きた事件のノンフィクション作品です。作中では保護者側からの視点、教諭側からの視点、それぞれの視点でこのいじめ事件が描かれていますが、その2つの視点からの顛末は全く違ったモノで、実際にも1つの”でっちあげ”を含むこの2つの事実が争われたことに恐怖すら感じます。この事件では”でっちあげ”は暴かれましたが、真実が嘘とされ”でっちあげ”が真実とされてしまったら…許せないし、怖いですよね。この作品には真実がゆがめられてしまいそうな絶望からの希望(あきらめない心・信じてくれる人々・善意)が描かれています。
【罪の声】
おすすめポイント
【罪の声】は塩田武士先生の同名小説のコミカライズ作品です。1984~1985年に起きた昭和最大の未解決事件のひとつ、グリコ・森永事件を題材にしています。作中では事件名こそ変えてありますが、発生日時や犯行の時系列など事件の概要は細かい部分にいたるまでグリコ・森永事件の概要そのものです。原作の武田先生はこの事件の小説を描きたくてまずは新聞記者となり情報を集めることから始めたということからこの作品への並みならぬ熱意がうかがえます。そしてこの作品はどこまでが事実なの?この未解決事件の真相はこの作品の通りなんじゃないの?と思えるほどリアルで未解決事件の真相を知らされている感覚に陥ります。塩田先生はインタビューで取材の過程で作品に描いたような推理が成り立ったと述べています。この作品は昭和最大の未解決事件の真相に最も近い推理が描かれている作品と言えるでしょう。
【実録たかされ】
おすすめポイント
日本プロ野球界における史上最大の事件といえば江川卓選手の「空白の一日」と答える人は少なくないでしょう。最近ではこの事件を知らない方もいらっしゃるかとは思いますが、江川卓という1人の選手の入団をめぐって巨人軍がセリーグを脱退し第3リーグを立ち上げるなんてところまで揉めた大事件の顛末がこの作品に詰め込まれています。日本のプロ野球ファンには必見の作品だと思います。
【府中三億円事件を計画・実行したのは私です】
おすすめポイント
未解決事件や、日本の闇・都市伝説といった類が好きな者ならば「三億円事件の犯人が名乗り出た」と聞いて気にならない人はいませんよね。小説家になろうに投稿さた直後から反響は物凄いもので書籍化・コミック化は必然でした。内容の嘘・本当はわかりませんが、個人的には大きな矛盾もなくなんとなくこの作品通りだったんだろうなぁと感じています。また作中では白田たちの犯行に至るまでの青春に満ち溢れたストーリーが描かれています。友情・恋愛・青春モノとしても事件録としても読みごたえのある作品です。
【ギフト±】
おすすめポイント
この「ギフト±」という作品で扱われているのは、現在でもネット上で様々な憶測や推論、都市伝説がささやかれている「プチエンジェル」事件という児童買春事件についてです。さまざまな憶測が飛び交う本事件は警察がタブー視していて誰も深く事件に踏み込めないという噂までとびかっていますが、そういった噂として広まっている都市伝説的な事件の真相をまとめ・さらに深堀した内容になっている作品と言えます。事件の都市伝説・闇・タブーといった内容が好きな方の興味をそそる作品だと思います。
【「子供を殺してください」という親たち】
おすすめポイント
精神疾患は患者自身や身内の人々がそれと気づけなかったり、認められないことによって悪化してしまうケースが数多くあります。最も最悪な事態になれば患者自身・身内・第三者の命が脅かされてしまうことにもなりかねません。押川さんはそんな命のぎりぎりのところにいる精神疾患者とその家族を命を張って医療に繋げる取り組みを行っています。長年精神を病み、狭い所に引きこもった人々を外に引っ張り出すのは並大抵なことではありません。そんな押川さんと患者・家族とのリアルで壮絶なやり取りが描かれた作品です。
【White Tiger~白虎隊西部開拓譚~】
作者 | 夏目義徳 |
掲載誌 | グランドジャンプ |
巻数 | 全3巻(完結) |
連載期間 | 2013年1月~2014年2月 |
あらすじ 日本の歴史が大きく動いた幕末。 会津藩には少年たちによって組織された白虎隊と呼ばれる部隊が存在した。 白虎隊隊士・白石鶴之助も死に場所を求めていたが、会津藩軍事顧問をしていたヘンリー・シュネルに出会う。 |
おすすめポイント
戊辰戦争の敗戦によって会津若松の人々がアメリカに渡り、初の日本人コロニー「若松コロニー」を築いたという歴史は意外と知られていないという印象ですが、史実です。白虎隊は残った隊士たちは自ら命を絶ち唯一生き残った飯沼貞吉も日本で生涯を終えたとされているので、白虎隊が若松コロニーに渡ったという記録はありません。もし白虎隊の隊士たちがアメリカに渡り若松コロニーを築く助けとなっていたらという浪漫があり、妄想がどんどん膨らんでいくストーリーとなっています。
【奇子】
おすすめポイント
鉄腕アトムやブラッック・ジャックなど数々の名作を生みだした手塚治虫先生の問題作と呼ばれている【奇子】。この作品は幽閉された奇子とその周りの人々の運命がメインストーリーですが、その中で国鉄三大ミステリー事件の1つとされる「下山事件」(作中では霜川事件)についてが描かれています。この事件は自殺か他殺かも解明されておらず、不可解な点も多いため今なお多くの人々の関心を集めている事件です。メインの話の筋とは違うところで下山事件が扱われていますが、かなり興味深い事件の展開となっています。
【かくかくしかじか】
おすすめポイント
かなりたくさんの想いやメッセージが込められた作品ですが、私がこの作品から一番に伝わったのは「複雑な師弟関係の難しさ」です。感謝や尊敬はあっても自分のやりたいことと恩師の伝えたいことに違いが生まれてしまった時、あなたならどうしますか?おそらく正解なんてありませんよね。東村先生もその経験をし、矛盾・葛藤・罪悪感などを感じ自分の道を歩まれてきたことが切に伝わってきます。そして東村先生の成功は”ひたすら繰り返す努力”の賜物だろいうことも伝わり読んだ後”自分も頑張ろう”と思える作品です。
【竜馬がゆく】
おすすめポイント
おそらく多くの作品で描かれる坂本龍馬や、皆さんのイメージにある坂本龍馬像というのは司馬遼太郎先生の「竜馬がゆく」の影響がかなり大きいでしょう。本作はその小説「竜馬がゆく」の内容をかなり忠実に取り込みコミカライズされています。皆さんのイメージにある坂本龍馬がこの作品に詰まっているはずです。鈴ノ木ユウ先生の作画はレビューなどでは好き嫌いがあるといった評価のようですが、個人的には歴史モノにはピッタリなタッチで、本作も原作の雰囲気に合致していると感じます。幕末・竜馬に興味のある方はぜひ!
さいごに
以上、『この漫画を読んでほしい!【実際の事件や出来事・社会問題をモチーフにした作品特集】』について紹介いたしました。
中には、実際の事件・出来事をモチーフにしたというテーマより、人物にクローズアップした作品というテーマの方がぴったりくる作品もあるかと思いますが、そこはご愛敬でお願いします。
また歴史上の人物を特集した記事も書いていきたいと思います。
個人的には未解決事件の真実は実はこうだったみたいなフィクション作品はわくわくしながら読めます。
ちなみに今回の記事でのイチオシは【罪の声】です。
ぜひ次に読む作品の参考にしてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。