遂に…遂にあの浦沢直樹先生の作品が電子版で読める日がやってきました。
2021年12月28日、ビッグコミックスピリッツで連載中の【連続漫画小説 あさドラ!】6巻の発売に合わせ複数の作品の電子版が解禁となまりました。
今回電子版解禁となった作品は…
『YAWARA!』
『JIGORO!』
『20世紀少年』
『21世紀少年』
『くしゃみ 浦沢直樹短編集』
『無印』
『連続漫画小説 あさドラ!』
の6作品。2022年2月末には第2弾として『MONSTER』、『描いて描いて描きまくる』が追加される予定です。
浦沢直樹先生は電子化が待望されている漫画家2名に注目の記事でも紹介しましたが、‟紙版”に強いこだわりを持たれていました。
この記事ではそんな浦沢直樹先生が電子版解禁に踏み切った背景・浦沢先生の本音・電子化するにあたっての条件などを紹介していきます。
目次
電子版解禁となった作品:第1弾
第一弾として2021年12月28日に電子版解禁となった、『YAWARA!』、『JIGORO!』、『20世紀少年』、『21世紀少年』、『くしゃみ 浦沢直樹短編集』、『無印』、『連続漫画小説 あさドラ!』はすでに各電子書籍サービスで購入が可能です。
浦沢直樹先生の‟紙”へのこだわり
浦沢直樹先生は電子書籍が普及しても、なかなか電子版の解禁に踏み切りませんでした。
その大きな理由が‟紙版”へのこだわりでした。浦沢先生は特に電子書籍では見開きページを書き手の思惑通りに表示することができないことをマイナスポイントと捉えています。
見開きページは読者にとっても大きなインパクトをあたえてくれる重要なページですよね。
ご自身のYouTubeチャンネル「浦沢チャンネル」で「漫画というのはこうやって(めくったり、見開きで開いたりして)読むようにできている」と語っているのが印象的です。
浦沢先生がこのように‟紙版”へのこだわりをみせるのはあくまでも「読者が漫画家の意図をしっかりくみ取れるため・テンポよく読めるため」なのです。
電子版解禁は時代への対応
そんな浦沢直樹先生がついに電子版解禁に踏み切ったというのは浦沢直樹作品ファンにとっても待望していたニュースです。
電子版解禁に踏み切った大きな理由はやはり「電子書籍が普及する現代の需要に合わせるため」です。
いくら浦沢先生の紙へのこだわりが読者のためと言っても、そもそも「電子版しか読まないから」と読んでもらえなければ意味がありません。
ご自身のこだわりや読者への想いと、世の中のニーズとの葛藤のすえ、電子版解禁を決断されたことが強く伝わてきます。
ですが、浦沢先生の紙が好きという気持ちは全く変わっていません。言い方は悪いかもしれませんが、「時代のニーズにあわせるためしょうがなく」という部分は大きいでしょう。
また、中には紙版へのこだわりを貫く浦沢先生の姿勢を応援していたファンの方もいるかもしれません。
そんなファンの方や、ご自身の「読者ファースト」のこだわりを貫くために、浦沢先生は電子版解禁にあたり、次に紹介するような条件と紙版への特典を提示しています。
電子版解禁もこだわりを見せる浦沢先生
電子版解禁を決断された浦沢先生ですが、電子書籍の見開きページへのこだわりや、読者のためという気持ち、紙が好きという気持ちになんら変化はりません。
電子版解禁にあたり次の様な試みを図っています。
見開き読み推奨!マークの作成
まず最も大きな試みと言えるのが、「見開き読み推奨!マーク」です。
作品の冒頭にこのマークを掲載することで、電子書籍では見開きページが上手く表現できないが書き手は見開きで表現したいんだという意図を読者に少しでも伝えるこを目的としています。
読者にこのマークが冒頭にあることで見開きページへのガッカリ感を和らげてもらうことも目的の一つです。
また、浦沢先生が作成したこのマークですが、漫画家なら誰でも自由に使えるようにするとのこと。
扉絵のない回へのブランク(白紙)
扉絵のない回にブランクと言われる白紙ページをはさみます。
漫画家は1週分(1話分)を一つのくくりとし執筆しています。その意図を理解してもらうためにブランクをはさむことで一息入れてもらい読むリズムを誘導することを目的としています。
カラーページの積極的な活用
浦沢先生はカラーページは電子書籍の強みと捉えており、せっかく電子版を解禁するならその強みのカラーページを積極的に取り入れれていこうと考えてます。
確かに他の作者の電子版作品の中には、モノクロ版と別にカラー版が販売されているものもありますし、カラー版は電子書籍の強みといえますよね。
やっぱり紙が好き!フェア
この記事では何度も述べているように浦沢先生は電子版を解禁しようとも「やっぱり紙が好き」なんです。
そのため「あさドラ!」6巻では紙版購入者を対象とした「やっぱり紙が好き!フェア」を実施ます。
初回配本分にもれなく特製ステッカーがついてきて、帯のマークをハガキに貼って応募すると抽選で5人の方に好きな浦沢作品キャラクターが描かれたサイン色紙が当たります。
以上にように、電子版を解禁された浦沢先生ですが、あくまでも読者のためという姿勢を貫かれています。
私も浦沢直樹ファンとして、これから一層、先生の想いや意図をくみ取れるように作品を読んでいきたいと感じました。
さいごに
以上、『浦沢直樹作品がついに電子書籍化! 電子版解禁の背景と浦沢直樹先生の本音,電子化への条件』について紹介いたしました。
浦沢直樹先生のファンであり、電子書籍ユーザーの私からすると今回のニュースは本当に待望のそして歓喜のニュースでした。
また、先生のこだわりや読者への想いを改めて感じられて、それにも嬉しさを感じました。
電子書籍ユーザーの皆さん、一緒に浦沢ワールドを存分に楽しみましょう!
最後まで読んで頂きありがとうございます。