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【野球】よく「○○選手(国内・国外)FA権を獲得!」と聞くけれどそもそもFA権ってなに?/意義・獲得条件などを解説

こんにちは。

秋から冬にかけて、日本のプロ野球はシーズンを終え、選手たちの契約更改や移籍動向がきになる季節ですね。

そしてこの季節、「○○選手、国内FA権を獲得!」「○○選手、海外FA権を行使!」というニュースを良く見ませんか?

プロ野球を観ている方、野球ニュースをチェックしている方であれば何度も目にしているかと思いますが、詳しくご存じでしょうか。

この記事では日本プロ野球における【FA権】の存在意義や権利獲得の条件、FA権の問題点などを解説していきます。

FA権とは

FA権のFAとはfree agent(フリーエイジェント)という意味で日本語に訳すと「自由契約」となります。

自由契約とはよく戦力外通告や解雇と混同されがちですが、大きな違いがあります。

戦力外通告とは球団が特定の選手に対して、来シーズンの戦力と想定していない、来シーズンは契約更新を行わないという旨を通告することを意味します。
また、解雇とは契約期間満了を待たずして球団が一方的に契約を解除することを意味します(不祥事を起こすなどよほどのことが無い限り解雇になることはまずありません)。
どちらも球団側に決定権がありますね。

反対に、FA権は「選手主導で既存球団と次の契約を結ばず、他球団と自由に契約できる」権利のことを言います。
戦力外通告を受けた選手は他球団と契約することはできるので、”自由契約状態”にはなります。

また、選手はFA権を獲得したら、それを「行使」することではじめて他球団との交渉が可能となります。

FA権行使のメリット

◆憧れの球団に入団できる可能性がある
◆より強い球団に入団できる可能性がある
◆よりよい条件で(在籍球団と)契約を結べる可能性がある

 

FA権行使のデメリット

▲他球団へ移籍する場合契約年俸の上限は昨年度の年俸となる
▲万が一FA権を行使したにも関わらず獲得に乗り出す球団が無いと所属球団がなくなる
▲古巣のファンから”裏切者”などと言われ嫌われる可能性がある

なぜFA権があるのか

プロ野球は基本的に入団する球団を自由に選択することができません。日本のプロ野球はアメリカに倣い”戦力の均衡化”を理由にドラフト制度を採用しています。
ドラフト制度では、球団が獲得したい選手を指名し、指名がかぶったらくじ引きで交渉権を獲得します。選手と入団交渉できるのは指名やくじ引きで獲得した球団のみとなるので選手自身には入団する球団を選択する権利が無いのです。

また、入団後も保留制度(選手の保留権を球団が有する)という選手の移籍を禁止する制度があるため、選手は自分の意思で他球団に移籍することができません。
これはドラフト制度と同じく、”戦力の均衡化”や、選手獲得の費用の高騰を防ぐ目的があります。

しかし、選手には子どもの頃から憧れていた球団、愛する地元の球団、優勝を狙える球団でプレーしたいという想いもあります。
ドラフト制度と保留制度があるので選手は一度球団に入団すると一生意中の球団に行けないことになってしまいます。

選手に球団を選択する権利を与えないことは憲法で保障されている「職業選択の自由」を侵害していることになります。
球団の長期拘束の法的有効性を担保するのが「FA権」となっているのです。

個人的には先ほどデメリットに挙げた”巣のファンから”裏切者”などと言われ嫌われる可能性がある”というのはとても悲しいことだと感じています。
次に紹介しますが、FA権獲得の条件はそれなりの年月と努力が必要です。応援している球団から選手が去ることが許せない気持ちもわかりますが、選手が唯一希望球団に入団できる可能性を応援してあげてほしいとも思います。

FA権の獲得条件

FA権には2種類あります。国内球団と自由に契約できる「国内FA権」と海外の球団もふくめてどこの球団とも契約できる「海外FA権」です。

1シーズンを145日として国内FA権は8シーズン、海外FA権は9シーズンの一軍登録日数をクリアすることで獲得することができます。
※1シーズンの1軍登録日数が145日以上になっても145日が上限なので溢れた日数がカウントされません。
※1軍登録日数が145日に満たない場合は、満たないシーズンの1軍登録日数を合算して145日になれば1シーズン分とされます。
※クライマックスシリーズにおける登録日数もカウントされる
※オールスター前後や、クライマックスシリーズまでの間に10日以上あり自動的に登録抹消となる場合、既定の日までに再登録されれば抹消期間も登録扱いとなります。

見ての通りFA権取得には8年、9年という長い年月とその間に1軍に在籍し続ける努力・活躍が必要です。このように努力して勝ち取った権利の行使を祝福できる風潮になれば良いと感じています。

FA権の問題点

選手の職業選択の自由を守るためのFA権ですが、問題点もたくさんあります。
選手会側は常にもFA権取得の条件緩和など選手個人の権利保護を協会に求めています。

①FA権獲得までの年数が長すぎる
FA権は毎年145日(ほぼフルシーズン)の1軍登録をクリアした選手でも8年、9年かかります。
平均するとFA権獲得には11年以上必要となっています。野球選手の平均選手寿命が約9年と言われており、選手寿命のほとんどをFA権獲得までに費やすことになります。
またFA権を行使して移籍しても選手としてのピークを過ぎていることも多く、希望の球団で思うような活躍ができない選手がたくさんいるのが現状です。

②条件が1軍登録日数
条件となっているのが「1軍登録日数」であることも問題点と言えます。
そもそもFA権は選手の職業選択の自由を守るものである訳ですから出場機会に恵まれない選手を含むすべての選手に等しく与えられるべきものと言えます。
この1軍登録日数という条件に①の内容も加わり、FA権を獲得できる選手がごくわずかとなっています。

③そもそも選手の権利が制約されすぎている
そもそもドラフト制度と保留制度があるため、選手の権利が制約されすぎているという問題があります。
他のスポーツと比べても異常と言わざるを得ません。もちろん戦力の均衡化や、年俸の高騰を防ぐ対策というのは必要であると思いますが、個人的には現在の制度ではあまりにも選手個人の権利が制約されすぎていると感じています。

最後に

以上、『【野球】よく「○○選手(国内・国外)FA権を獲得!」と聞くけれどそもそもFA権ってなに?/意義・獲得条件などを解説』について紹介いたしました。

野球のドラフト制度や、FA移籍はこれまで多くのドラマを生んできたことも事実です。悪いところばかりではないですが、FA権獲得条件の緩和など選手側に歩み寄る余地はあるのではないでしょうか。

スポーツもこういったオフシーズンの動きにも注目してみるとさらに面白いかと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

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