「となりのトトロ」は1988年に公開されたスタジオジブリ制作の作品で監督を宮崎駿監督が務めています。
「となりのトトロ」と言えばジブリ作品の中でも特に子どもむけの作品というイメージを抱いている方は少なくないのではないでしょうか。
いえいえ、実はネット上や、SNS上では大人になってからトトロを見たら泣けた、トトロは大人だからこそ泣ける理由がある作品、といったような意見が大変多く見られます。
それでは「となりのトトロ」が大人の涙を誘う理由について考えていきます。
目次
「となりのトトロ」の概要・おおまかなあらすじ
草壁サツキとメイの姉妹は母が病気で入院しており、退院後に療養するため父とともに田舎に引っ越しをしました。
引っ越し直後、サツキとメイは子どもの頃しか見ることができないというまっくろくろすけを見つけます。
また同じく子どもの頃しか見ることができないという不思議な生き物・トトロと出会います。
草壁一家とトトロのちょっと不思議な触れ合いを描いたファンタジー要素の強い作品となっています。
それでは「となりのトトロ」が“泣ける”理由について一つ一つ見ていきましょう
メイの素直さ、わがままさが泣ける!
メイはまだ4歳ということもあり、自分の欲求や願望をストーレートに表現します。
よく言えば素直、悪く言えばわがままでしょうか。
しかし、4歳の子どもにとってお母さんに会いたい、早く一緒の暮らしたいという欲求は我慢できるものではないですよね。
また母がもうすぐ退院できると「もう少しって明日?」と聞き返したり、寂しくなってサツキの学校に出向き一緒に授業を受けてしまうなど、まさに子どもっぽい振る舞いを見せます。
母の退院が遅れることを知ると、大泣きをして嫌がるなど、寂しさや、不安をストレートに表現します。
そのストレートな表現は見る者を感情移入させ、涙を誘います。
また、そんなメイがお姉ちゃんの泣く姿を見て、“自分がしっかりしなきゃ”と思ったのか“二度お母さんと会えなくなってしまう”と思ったのか、とうもろこしを持って走り出すシーンも名シーンで泣けますよね。
サツキの我慢、不安、笑顔が泣ける!
メイがまだ幼く、自分の欲求に素直(ワガママ)母のいない環境の中で、姉であるサツキはしっかり者として振る舞います。
家事をこなし、妹のメイをなだめたり叱ったり、嫌でもしっかり者に、大人にならざるを得ない環境でした。
そんな中、母の退院が遅れることを知り、不安が爆発します。
いつも世話になっているカンタのおばあちゃんの前で、お母さんが死んでしまうのではないかと大泣きをします。
これまで“お姉ちゃんだからしっかりしなきゃ”と張り詰めていた糸が切れたかのように不安が溢れ出してしまう姿は大人だから泣けるシーンと言えるでしょう。
また、何度もこの作品を見ていると、サツキの我慢や、最後には不安が爆発してしまう事を知っているが故に何気ないシーンが泣けてきます。
・お母さんに髪をとかしてもらい、頬を赤らめらシーン
・トトロのお腹に無邪気に飛びつくシーンや、どんぐりの芽が出ていたことに大はしゃぎをするシーン
これらのシーンはサツキがまだまだ子どもであることや、普段たくさんのことを我慢しているということが伝わってきて泣けてくるんです。
お母さんは普段我慢しているサツキを甘えさせるために髪をとかし、トトロはそんな母に代わってサツキに“子どもになれる時間”を与えにきたのではないでしょうか。
メイとサツキの状況がリアルにイメージできる大人だからこそ泣ける!
「となりのトトロ」が大人が見て泣けるのは、サツキとメイの置かれた環境がどんなものなのかリアルにイメージできる理解できるようになるからというのも一つの理由と言えるでしょう。
「となりのトトロ」はかなりファンタジー要素の強い作品ですが、草壁一家の家庭環境はなかなかに厳しい環境ですね。
その環境の厳しさは大人になるとリアルにイメージできるようになります。
そんな中でのサツキとメイの素直さや、我慢、不安、笑顔はより泣けるものになってきます。
また、大人になっていく過程で、自分自身も何かに我慢し、不安を感じる経験をすることで、より感情移入することができるようになりますよね。
ネット上には“トトロを見て泣くようになるのは大人になった証”などの意見もありますが、それは、様々な経験を積み、サツキやメイの環境は心情を充分イメージできるようになったという意味なのではないでしょうか。
まとめ
子どもにも大人気の「となりのトトロ」。
ジブリ作品の中でもファンタジー要素が強く、子ども向けの作品と感じている人も少なくないでしょう。
ですが、大人になったからこそ、感じるもの、感動できる・泣けるシーンに溢れた作品です。
いろいろな世代の方にそれぞれ違った見方をできる作品です。
2020年8月14日の金曜ロードSHOW!でテレビ放送される予定もあります。
気になる方、大人になったからまだ見ていないという方はぜひチェックしてみてください。
最後まで読んで頂きありがとうございます。